英君酒造

徳川の君主にあやかる銘酒

英君酒造は明治14年望月酒造店として開業。その年、日英通商条約締結の年であったことから、徳川の英いでた君主にあやかり酒銘を『英君』と名付ける。 現在は5代目蔵元となる望月裕祐(ゆうすけ)氏。初代蔵元望月昌策氏の創業当時から、全国各地の優秀な酒米を探し求めて酒造りに励む。 「品質第一」という精神を引き継ぎ、今日も、蔵の設備の省力化・合理化を進めると同時に、品質を左右する蒸米、酒母、製麹に係るものは杜氏・蔵人による手造りを守り続けている。

宿場町由比 山を保全し、良質な水を確保

江戸時代、東海道由比宿の宿場町として栄えた由比。絵師・歌川広重による由比の浮世絵には、難所を越える旅人や、帆掛け船の浮かぶ駿河湾、駿河湾越しの富士山などが描かれ、当時の賑わいが描かれている。 英君酒造は沿岸部から少し離れた山間、緑と水の豊かな入山地区の桜野沢川(由比川に合流し、駿河湾に流れる)沿いにある。 英君の仕込み水は蔵から3kmほど山に入った桜野沢湧水を使用。 先代の社長が、その良質な仕込み水確保のため、ひと山すべて購入したほどのスケールの大きいこだわり!さらに、酒を仕込む上で天敵となる鉄分を、徹底的に除去して仕込み水としている。その口当たりの まろやかなこの仕込み水の風味を生かした柔らかな酒質が持ち味である。

伝統と革新と

蔵はかつて南部杜氏による酒造りをしていたが、高齢のため2011年に引退。 英君酒造の新体制での酒造りは、その南部杜氏の下で15年間働いていた地元雇用の粒來保彦杜氏と、県内外の蔵で様々な実績を積んできた榛葉武副杜氏(2011年入社)を中心に行われている。「認め合う、支え合う」40代コンビとして新聞でも話題に。 蔵人一丸となって酒質向上に励む。風通しの良い環境が、全国各地の銘酒を研究しながらも静岡らしい英君の酒を追及する姿勢と、新しい企画商品や、既存商品のリニューアル・バージョンUPに活かされ、ファンを魅了している。 管理も万全で、タンク貯蔵は、熱交換急冷後5℃の貯蔵庫で管理、ビン貯蔵は、生酒以外、すべてビン燗急冷後氷温貯蔵庫にて管理している。 平成27年(平成26醸造年度)、28年(27醸造年度)、29年(28醸造年度)に静岡県新酒鑑評会入賞、28年は吟醸の部で県知事賞(1位)、28年、29年の連続で全国新酒鑑評会金賞と華々しい成績を収めている。

酒販店との関係を大事に

望月社長は、全国の酒販店はもとより、飲食店、愛飲者から『ヒデ社長』という愛称で親しまれ、その人柄に魅了された熱狂的なファンが多くいる。「私たちは『英君』の酒を分かっていただき、一生懸命に売ってくださる酒販店さんとの関係を大事にしていきたいと思っています。」という姿勢を貫いている。この姿勢がファンの琴線にふれる商品開発につながり、爆発的な人気酒を生み出している。

国内外の鑑評会、コンクールでの評価

英君酒造では海外3カ国(平成29年9月現在)に輸出。 優しい味と香りの、食中酒として飲み飽きしない静岡酵母で醸した酒で、どんな食事にも自然と馴染む。そんな食中酒は国内のみならず、海外でのコンテストでも評価され、年々ニーズが高まっている。 ★ワインの本場フランスで初めて開催された日本酒審査会「KURAMASUTER」で金賞受賞。 ★IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)に出品した純米吟醸酒、大吟醸酒ですべてSilver,Bronzeメダルを獲得。 (IWCは世界最大規模のワイン品評会、IWCは、毎年ロンドンで行われる"世界で最も大きな影響力を持つ"といわれるコンテストの「SAKE部門」)

新フラッグシップと最高酒のいろは

英君酒造のフラッグシップは『緑(五百万石)』『紫(山田錦)』『橙(雄町)』と米・酵母違いの3色純米吟醸酒の無濾過生原酒シリーズ。どれも人気の酒で毎年瞬く間に完売するという。 さらに、静岡県酒造好適米『誉富士』の特別純米、特別本醸造が新たにフラッグシップ酒に加わる。 酒造好適米の『誉富士』は「山田錦の血筋を引き、熟成させ味を十分にのせてからが真価を発揮できる酒になると感じている。生(原)酒で詰める場合は、旨甘口の芳醇なタイプに仕上げる。」そのコンセプトどおり、フレッシュな香りと共にやや甘口で旨味もあり、爽やかな酸が味を引き締める食中酒として、ファンにも高い人気が出ている。 毎年の鑑評会出品酒である『英君大吟醸いろは』。このラベルデザインは英君酒造とは縁戚に当たる人間国宝、故・芹沢銈介氏の作品である。静岡酵母が生み出す上品でフルーティーな香りと瑞々しい味わい、切れの良い喉越しは、地元静岡の海の幸との相性は抜群で、お互いをより一層引き立てる。